今年は脊柱管狭窄症を患い、渓のみならず、Jog&Trailをキャンセルし、
日常生活まで支障が生じた。傷病とは無縁だったオイラの大転機だった。
ブロック注射を6回打ち、処方薬も終えるまで約3ヶ月・・・それでも正常には遠い。
通勤電車の揺れや、階段の登り降り、人に呼ばれて振り向く瞬間・・・
声には出せないが、一人で大脂汗をかいてた、この状況から逃れたかった。

とは言え、ようやく歩けるようになったら、どうしても渓に行きたい。
時は解禁から4ヶ月が経とうとしていた。


今回のパートナーは副隊長。子どもでなく立派なパートナーだ。
隊長は高校野球部の応援で直前にキャンセルになってしまい残念。
中学野球部で3年間鍛えられた身体は立派なもので、
ガレ場、水線突破、岩場のヘツリ、チョチョイのチョイとこなすのに感心。
もはや立派な一渓流マンかな(^O^)/


惜敗した中体連、学校や進路の話をしつつ、4時間を歩き、お目当ての渓へ。
チョッと歩いて、ザックを背負ったまま釣り始める。何だか頼もしい(*^^)v

 人の痕跡はなく、どうやら、2人で貸し切りの渓になりそうだ。
 オイラも、遅れた渓始めもあり、観るポイントポイント、イワナがいるように見えて仕方ない(^^ゞ

 早速竿を出し始めるも、まるでアタリがない。
 
 そんな中、副隊長にようやくヒットし8寸5分のヤマトイワナ。
 針は奥まで丸呑みされているが、それを想定してハリスは1号なので、引き抜こうが、走られようが、何の心配もない(*^^)v
 ガンガン釣るぞ!
 


オイラに来た9寸ヤマト。


順調に釣り上がり、もうすぐテン場です。


さて、晩飯にしますか(^O^)/


副隊長が上流部に釣りに行く間、ビールを冷やして、仕込みを開始。


ミョウガ・油揚げ・大葉・じゃこの胡麻醤油和え イワナとタマネギの春巻き揚げ
イワナホルモンと玉子の炒め イワナカツサンド
イワナ丼 イワナ寿司
ぜーんぶ、美味しかった(*^^)v
実はオイラには作戦があった。
中学の壁新聞的自己紹介に“好きなこと”は“渓流釣り”と書いてあった。
本当に嬉しかった(^O^)/


嬉しかったと言う感謝を、この渓で、この焚火の前で伝えたかった。
それが叶って、オイラは満足・・・・と思った頃には、副隊長は舟を漕いでいた。
「部活に比べたら疲れてないよ」と言う副隊長だが、使う筋肉が違うからね。
オヤジの道楽に黙った付き合ってくれたから、疲れただろう。
テン場に移動させて、2人ではデカ過ぎるタープの下で大の字になる。
オイラは、焚火の脇で、満点の星を眺めながら、自己満足に浸り、ウィスキーを煽る。
何とも言えぬ、至福の時である。


翌朝、朝陽が差し始めたテン場。帰りたくなくなるのだ。

 1.5合くらいの飯を平らげ、グッスリ寝た副隊長。昨夜の宴会から、今朝の焚火まで、薪の調達と火の調整は終始、務めてくれた。頼もしいパートナーだ。

 とは言え、振り返れば、一泊二日の食事はすべてオイラが作る。これって“親の子ども接待?”なんで思いながら、それもまた良し!と十分に納得しつつ、朝飯を作る。

 今日は、副隊長に尺イワナを釣らせるのである(^_-)-☆

 昨日、副隊長が釣り上がったポイントの上から、釣り上がる。
 尺は出ないが、数はそこそこ釣れる。陽が当たるまでに時間がかかるため、副隊長は肌寒いようだ。魚が釣れれば、興奮して、身体も火照るが、遡行中はカッパを着させることにした。

 釣れてくる魚の太いこと。十分にエサを食べている証拠だろう。入渓時、今までないようなダムの湛水量にビックリしたことに証明される、2週間前の大雨でも生き残ったヤマトイワナたちは逞しく美しい。


迎えた、最終ポイント。かつての尺ヤマトの溜まり場に期待が膨らむ。


最後のポイントは、残念ながら8寸止まりで納竿。
次回はこの淵の上に行こう。


帰路のヘツリ。何だか絵になる。

 テン場に戻り、朝飯の残りご飯で作っておいたおにぎりと、ラーメンを昼飯にして、帰り仕度をする。ステキすぎるこのテン場、どうも帰りたくない。
 それを知ってか、紫斑のないオオムラサキのような蝶≒コムラサキが遊びに来た。これから歩く4時間の無事を祈ってくれていることにしよう(*^_^*)


(↑)下界は40℃超。そりゃ、山だって暑い。
ザックを下ろして、清流で汗を流す。
(←)最後のガレ場を登れば稜線に出る。
吹き抜ける風に当たって一服しよう。


帰路、民宿ふるさとでお風呂を頂きました。
実は、前日早朝、忘れたタマネギを買い求めたら、頂いてしまいました。
感謝をこめて、お風呂を頂き、家路に着きました。

受験生の副隊長。受験は受験、山渓は山渓。
夏休み、勉強の合間を縫って、また行こう(^O^)/

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