エッへん、悦楽の時・・・



間違いなく今年2007年も春が来た。
3月は毎年ワクワクする渓流シーズンの解禁である。
今年は異常なまでの暖冬と言われ、佐久間町で2月下旬で23.6℃を記録したが、
山渓はそれなりに寒い。朝04:30頃は、まだ小雪が舞っていた。

林道をアプローチの最中、歩きなれた林道で初めての音を聴いた。
サワサ、シャワシャワ、ニョキニョキ・・・
そう、映画『となりのトトロ』の“まっくろくろすけ”登場のときの音かな?

どれをとっても違う表現なのかもしれないが、そんな感じの音。
夜中はグッタリしていた若葉や芽が、出始める太陽や朝露を身体一杯に浴び、
縮まっていたものが、背筋を伸ばしているような感じがした。
「もしかしてこれって、生命の音かな?」なんて考えながら歩く。



 

寒いとは言いながら、春はやはり着実に
近づいてきている。新芽が芽生え、
一生懸命、背伸びしようとしていた。

暖冬暖冬とうるさいので、間違って
タラノメでも出ていないかと思ったが、
そうは甘くない。ようやくこの程度だった。


 山道を歩いていると、杉林の林床でキノコが目に付いた。
 明治のスナック「きのこの山」みたいなキノコだ。キレイな飴色をしているが、軸は黄色で中空。
 どんなキノコか分からないので、中尾さんにメールで聞いてみると、
『ヌメリガサ科のベニヤマタケかその近似種でしょう。ヒイロガサというキノコにも似てますが、出る時期が違います。ベニヤマタケは食菌。それに似たキノコに毒菌はありません。食えるでしょうね。』とのこと。
 
 早速バター炒めにして頂いたが、美味しかった。



納竿地点
(奥の廊下は腹まで浸かるため、当然撤退&納竿)

今回は往路、カモシカ、ミソサザイが出迎えてくれ、
復路はニホンジカ、コゲラが見送ってくれた。
今年初めての渓歩きとしては、豪華キャストだった。
こういったところにも春の渓に息づく生命を
肌で感じることが出来た。

とは言え、身体の震えで、目印が動いてしまい、
それをアタリだと思って合わせていたのだから世話はない。
焚き火をしないと寒くて仕方がない納竿だった。

娘“碧惟”の誕生祝に、メスアマゴを持って帰ろうと
思っていたのだが、願いは叶わなかった。
そんな状況で、幸いにも、も針掛りしてくれたのは、
メスイワナちゃんだった。

それもまた良し!
今年もステキなシーズンになることを祈って・・・


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