稜線の池を見に行く


 平成17年の渓流シーズンも終わってしまった10月。
オイラたち地元渓流釣り仲間はやはりうら寂しくなり、今期の反省と、来期の課題を話し合うべく、語り合った。


 その後、「どうもオフは体がナマってイカン」と言うわけで、みっちゃんと二人で初冬の南アルプスを登ってみようと言うことになる。
みっちゃんは山の専門家なので、コースはお任せ。
「どうせ行くなら、何か目標があったほうがいいねぇ。稜線に池がある場所があるから、そこにしよう!」と言うことなる。
土曜日の午後からテント泊まりして行こうかと思ったが、飲んで寝ると凍死する可能性があるため、無理せず、日曜の朝早く出発する。

 途中、山肌には雪が見え始め、静岡県とは言え南アルプスの冬の厳しさを見せ付けられる。林道に入るとそこは雪で、歩き始めてしばらくするとクルブシを濡らすほどの雪の深さになる。


ブナは落葉し、落ち葉を雪が覆う

歩き始めて間もなくバテる。
と、こんな物が・・・!
YAHOOで「田中式熊捕獲檻」と
検索してみるが、特許扱いに
なった形跡はないが、
福井県あたりの熊調査では
結構重宝されているよ
うだ。
 ガイドには「熊笹を掻き分け云々・・・」と言う下りがあったので、それは夏の話だろう・・・と思っていたのであるが、どっこい、冬も熊笹は元気であった。
 途中行く手を阻まれたところもあったが、みっちゃんに従い、稜線を目指して歩いていくと、熊の爪跡だろうか?しかも結構新しい。

 「田中式熊捕獲檻」の活躍を想像しつつ、怖いもの見たさではないが、一度、熊と遭遇してみたいと言う衝動に駆られる。
 
 しばらくすると、頂稜らしい場所に辿り着く。
吹きすさぶ風は鼻水を誘う。
歩いているといいのだが、止まると寒い。
簡単に見つかると思っていた池が見つからない。
 「どうせここまで来たんだから・・・やっぱり池、見たいよね」と言い合うも、方向音痴のオイラは、みっちゃんについて、あっちこっち探して回る。
 ガイドを参考に、頂稜からやや下っていくと、踏み跡らしきものがあるので、辿っていくと、ありました、池が!

 コレが源流となっている池である。
周囲の稜線よりもやや低くなっているだけなのだが、冬を迎えるこの時期でも、水を湛えている。
どうやって、水が溜まるようになっているのだろうか?流れ注ぐ川がない以上、山が水を蓄えているということ以外に考え付かない。

 みっちゃんと二人ですかさずビールで乾杯をするが、体の芯から冷えていくのがよく分かる。



この日のメニューは「タイカレー」
鶏肉などの具は用意しなかったが、
飯盒飯も美味しく炊け、
初め甘く後から辛いタイカレーは
寒いときにはなかなかよろしい。


池から沢の流れ出し。
こうして大井川は幾つもの流れを集め、
大河となり、山河を、渓を育むのである。
本当にいい物を見ることが出来た。
イワナは確認できなかったが・・・



 
往復、約6時間の冬山歩き。
オイラは冬山(とは言っても本格的ではないんだろうが・・・)は初めて。
みっちゃんのお陰でいい経験をさせてもらった。

オフもこうして遊べれば楽しいもんだ。

帰りは温泉につかって、ご機嫌で帰りました。


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