【年月日】2002.9.15〜16
【気 温】13℃〜17℃
【天 候】シトシト雨時々曇&一瞬晴れ
<写真:ブナの森を流れる清冽な流れ>
今回の釣行はオイラにとって長い間の念願であったブナの森への
釣行である。いつも行く南アルプスの尖がった石の林道ではなく
フカフカ落ち葉のゼンマイ道を歩いてのアプローチである。
秋も深まってきた9月の3連休・・・なので、二泊三日と行きたいところ
だが、なんと土曜日がクソ仕事になってしまい、トホホな一泊二日の
行程となってしまう。なべさん・3Bさんには予定を合わせて頂き
恐縮であった。
さて、福島までであるが、静岡から車で行くとなるとドエリャァ
時間と労力がかかるため、新幹線で東京駅までラクチン移動。
神戸からのなべさんとともに東京からは3Bさんにピックアップしてもらい
一路、車止めに向かう。
途中、ラーメンショップで荘厳なる前夜祭を執り行い、
24hのSSで給油をする。
が、このSSのオヤジが只者ではない。
オイラたちの積荷を見るなり、「どちらへ?」と問い掛ける。
すかさず現地情報を取ろうと会話を進めるが、最後にオヤジが言った一言が
何とも言えない。
「昨日降ってるから絶好調だよ」とニンマリ。
この言葉に後押しされて、車は走るよ6時間。
林道は“ススキが伸びているなぁ”を超え、“ススキがあって進めない”
程の量のススキに横びんたをされながら、ようやく車止めに到着。
とりあえず乾杯。
外はシトシト雨が降っている。“雨マン”の異名を持つ3Bさんが
「また私が雨を連れてきてしまいましたかねぇぇ」と
降水確率30%(言い換えれば雨の降らない確立70%)を見事に
引き当てた自分を誉めて(?)いる横で、なべさんの目が厳しい(-_-)
2時間ほど仮眠をとりいざ出発。
早朝地元のオジサン×2名が日帰りで下流部に入るといって、
オイラたちよりも早く出発した。
<写真:3Bさんの釣り姿。絵になるなぇぇ>
山歩きはアップダウンがあって結構なアルバイトであるが、 南アルプスの険しさと違い、土と葉の道が優しく感じられる。 この後、なべさんと3Bさんの忘れ物を回収し、テン場を設営。
渓では元来まったりモードなのであるが、今回は忘れ物の回収が
予定よりも早く終わったため、チョット普段よりも釣りに欲が出るのも世の常。
早速、釣に出かける。
東北のブナの渓は“白い”というのがオイラの第一印象であった。
落差の少ない細かくて白い砂礫の渓を、透き通った水が淡々と流れていく。
少々渇水気味であるため石に苔がついて、やや黄色がかっている。
南アルプスでは、黒っぽい石が段差をつくり、落ち込みの水は
コバルトブルーになるのだが、ここ東北は同じ渓でも雰囲気が違う。
時折差す日に反射するブナの森が誠に美しい。
イワナの出は結構渋いが、気分は上場である。
<写真:なべさんの釣り姿。自然だねぇぇ>
いきなり、 なべさんが尺イワナを引き出すが、その後は、 おこちゃまイワナがサッと逃げる姿ばかりが増える。 本流筋は渋いため、枝沢で大物を狙う。
南アルプスでは絶対にやらない(=必要がない)チョウチン仕掛けで挑むが、
現れるのは、おこちゃまイワナばかりである。
以前37cmが出たという小淵も主不在で、スレていないおこちゃまイワナが
何回も何回も9号の針にドバミミズという仕掛けにアタックしてくる。
カワムシ(=キンパク)は小さくて少ない上に、食いはドバの方がイイので不思議である。
小さいカエルも餌にしてみたが全く反応がなかった。
というわけで釣りの方は早々にあがり、宴会の準備に取りかかる。
【ウキウキのテン場】 ヒル皆無、藪蚊少々、風爽やか、ブナの香りという最高の空間。 ずっと長い間このテン場に来たかった。 かけがえのない時間は大切な友と共に流れていく。 |
【止められまへんなぁ】 焚き火に自在鉤からおりる鍋。それを眺めながら飲む酒は本当に美味しい。 こういう楽しい遊びをさせてくれる森に感謝。 |
【鶏唐奉行の3Bさん】 3Bさん特製の鶏唐 黄金比率のタレに鶏肉を漬け込んで持参。その場で唐揚げ粉をつけジュッ。絶品。 |
最近はこの“渓宴会”が何にも増してメインであり、食材・料理方法と結構
凝るようになってきた。
オイラは“きのこカレー”と思ったが、
きのこが出ておらず、普通のカレー。
3Bさんお得意=プロも唸る“鶏の唐揚”。タレに漬け込んでその場で唐揚粉をつけて
揚げるので、美味しいこと&ビールに合うことこの上ない!
なべさんは豚汁。冷える夜にはこうした汁物があると体が喜ぶ(^o^)
我々“大人になりきれない大人たち”は、
ブナの森のテン場でお互いの料理に舌鼓を
打ちながら、次期も時期だけにオフ会のこと、来年の解禁のことなど、
これから先にやってくる楽しいことについてニコニコしながら会話が弾む。
また、酒とテン場と渓があれば、何を食べても美味しいオイラたちにとって、
「んじゃぁ、家での食事ってのはどうなんですか?3Bさん」
ってな具合に普段食べるものに話題が移る。
喧喧諤諤の議論の末、我々が到達した合意は…
●基本的に粗食である
●ギャルのいう“カワイィーッ”的食べ物はご免である
●旬のものを食べたい
一例を挙げる。
今は9月。秋真っ盛りである。
この時期はやっぱりどうしてもサンマが食べたいのである。しかも魚屋に出たその日に食べたい。
サンマは秋刀魚と書くように、秋の味覚の4番バッターなのである。
マダムが夕餉の買出しにスーパーに出かけ、鮮魚コーナーに差しかかる。
青黒い背中&黒目を光らせたサンマが氷の上に並べられている。発泡スチロールに
赤いマジックでチョット乱暴に書かれた値札には
“本日入荷!秋の味覚サンマ1尾300円”
とある。
そこを何気に通りすぎ、横の精肉コーナーで
“本日特売!豚の細切れ3パック1,000円”
なんてのを何の躊躇いもナシに買い物篭に入れる。
そこまではイイ。
そこでマダムは、ふと思い出す…「そう言えば、ウチの人、魚食べたいって言ってたっけ」
すかさず踵を返し鮮魚コーナーへ。
ここまでは文句ない。
先ほどのサンマ君の横には
“真イワシ3尾200円”の表示。
財布のジャラ銭を見ながら、
今月の食費の計算をしたかしないか分からないが、一瞬迷った挙句、買い物篭には
真イワシが佇んでいるのである…
イカ〜ン!
これがイカン!!
100円安いから、或いは1尾当りの値段が安いから、はたまた200円で3回も魚(=真イワシ)が
食べられるからウチの人喜ぶだろう…なんて考えちゃイカンのである!
そこは迷わず秋の味覚サンマを手にしなければダメなのである。チョット大きく出て
2尾買って、魚屋の大将に「100円マケてぇぇ」と色仕掛けに成功し、2尾500円という
大成功を収めるくらいでなければお話にならないのである。
サンマを買ったはイイが、大根を買わずに家に買えって「大根おろしは?」と聞かれて思わず、
「高かったから…」と嘘をついてしまってはダメなのである。
とまぁ、バカな話に花を咲かせ、21:00頃には徐々に森に抱かれて眠りにつくのであった。
ブナの森の宝石 いつも南アルプスで遊んでくれるヤマトイワナとは 全く違った体。うっとりするほど美しい。日本の山々でその渓特有のイワナが 生きている。 |
朝方4:30頃、ボツッという音で目が覚める。
もしや・・・「来たか雨マン。本領発揮か!」と一同ドキッとするが幸い小康状態を保っている。
そのスキに素早く帰り支度をし、「風呂〜っ」
、<「ビールゥゥゥ」と叫びながら
進む。途中雲の上で記念写真を撮影し、なおも続くゼンマイ道を歩く。
風呂に入って生き返り、お決まりの食堂で人間らしくなり後は帰るだけ。
なべさんの注文したラーメンが出てくるまで15分、オイラの天麩羅蕎麦は40分、
3Bさんの前沢牛焼き肉定食は何と1時間掛かった。バーナーが1つしかないんじゃないかと
余計な心配をしてしまう。
さて、帰路は、神戸まで帰るなべさんと福島駅から新幹線に乗る。3Bさんに
福島駅で落としてもらい、ここでお別れ。都内の混雑を避けるために仮眠しながら
帰る3Bさんの安全運転を祈りつつ、我々の指定席を買うべく窓口へ。
初乗車となる東北新幹線:やまびこは
ナント8両編成なこともあり指定席は空席ナシ。
「車両増やせよなぁ」と悪態をつきつつ、空いているところに腰を下ろし、宴会を決め込む。
売店のオネェチャンの「640円のお釣りです。」のイントネーションが
やっぱりチョット東北訛なのに旅情を感じつつ、車窓の外を眺める。
缶チューハイ×2、ワンカップ×2、牛たん×1をそれぞれ平らげる頃には、
東京駅に到着。
ここでナベさんともお別れである。
デカザックを背負った男が赤い顔してウロウロする新幹線ホームってのは
人から見たらどんな感じだろう?といらぬ心配をしつつ、そんな自分もイイなぁなどと
妙な納得をしつつ、再会を誓う。
今回、東北ブナの森をご案内いただきましたナベさん、3Bさん、本当にありがとうございました。
来年も一緒に遊んで下さい!(^o^)