2002年 一番槍バージンロード

【年月日】2002年3月1日
【気 温】4.0℃(AM4:30)
【水 温】5.2℃(AM7:30)
【天 候】くもり

<写真:解禁当日、林道のバージンロードを進む>

 昔、戦国武将たちは自らの手柄を頭領に示すべく、的の首を一番にとることに躍起であった。 相手の首を最初にあげた武将には一番槍として 褒美が与えられたのである。
 今回オイラは、3月1日解禁日前日、車止めに着くと誰もいなかった。 「今年初めてこの渓に入るんだなぁ・・・」などと一人思いに耽り、一番槍戦国武将のことを考えた のである。今年この渓で一番最初にあげた渓魚を誰に届けよう・・・と都合よく釣果があることを 考え、日本酒を周囲にまき、お清めを済ませ、 ビールのプルタブを抜いた。誰に届けるって、他でもない、先月生まれた子どもに届けよう、 と戦国武将ヨロシク気持ちは高ぶるのである。
 と言うわけで、今回は親バカスペシャル釣行記 でありますので、ご理解下さい(^0^)

<写真:林道にあった不思議な朽ち木>

 コレも毎年解禁前の恒例であるが、普段より入念に体を細部まで洗い、 勝手にお清めだと思いこみ、綺麗な体で渓に入る。 久々の解禁日=自主解禁日に心も躍る。
 信州、東北は雪が多いと聞いていたので、こっちもそうだろうと思っていたが、 林道、河床に雪は全くなく、茶色い世界が広がっている。気温も確かに暖かい。 例年であれば、晴れた空に、雪を頂いた頂上が綺麗に映え、空の青と山の白黒のコントラストが 美しいのであるが、生憎の曇空に雪ナシ坊主頭の山頂であった。
 途中、朽ち木につく瑠璃色のカビ?を発見。 色は大変美しいが、また、何でこんな朽ち木に宿るのだろう?自然界にはまだまだ知らないことが たくさんある。

<写真:大岩の下に出来たハチの巣>

 全く順調に河床に到着。途中食べたおにぎりはいつになく美味しかった。
予想以上の渇水に驚く。雪代が まだなこともあろうが、少ない水流を昨年の落葉が石々の間に詰まり、さらに水の流れを留めている ような気がする。去年、渓泊まりをしたテン場脇の大岩の下には、バレーボール大のハチの巣ができて いた。
 トレッキングシューズをウェーディングシューズに履き替え、 早速キンパクを採り始めるが、今回はキンパクの出がシブイ。
それでもこの渓の豊かさを持ってすれば、キンパクがエサ箱を賑やかすのにそう時間はかからない。
 息を呑む思いで、第一投である。

<写真:2002年第1号の渓魚=ヤマトイワナ>

 左岸から沢が出会う落ち込みで微かな魚信。
合わせると7寸強の可愛いヤマトイワナだった。
今年の第1号、しかもヤマトイワナに感謝!!「大きくなれよ。今年もヨロシク!」といって とりあえずの記念撮影。舐めるようにヤマト君を眺めて、流れに戻す。 あまりに小さくて可愛いヤマト君には「お前は渓太だな」 などと勝手に息子の名前を付けたのだが (親バカ@)「んん?待てよ・・・息子が誰かに釣られちゃマズイじゃん」などと 一人でたじろぎつつ、息子もヤマト君も逞しく育ってくれることを願う。

<写真:2002年第1号のアマゴ>

 どうだろう、この面構え!
月の解禁当初から鍛えられたこの精悍な顔つきである。本当に惚れ惚れする。
ヤマトにしてもアマゴにしても、この時期はハッキリしない魚信で、合わせた後も 特に暴れることもなく大人しいことこの上ない。盛夏であれば我々もヘトヘトになるような 凄いファイトをするのであろう。
 薄緑かかった背中はすでにセッパリの様子を見せており、背鰭部がチョット盛り上がっている。

 ともあれ、ヤマトイワナ&アマゴ揃い踏み 状態にイイ土産が出来た。息子の枕元に並べて 写真 を撮ろう! ヤマト・息子・アマゴと並んでカメラに納めて、大きくなったら親子で笑おう!と一人ニヤける (親バカA)

<妖艶な肢体>
艶めかしい肢体が今年もオイラを魅了する。
まさしく渓の宝物以外の何ものでもない。
世代を越え悠久の宝物として残したい。
<納竿ポイントにて>
この下で逃したヤマトが・・・逃した魚は大きい!のである。 テンカラを振ろうと思ったが、風が出てきたので諦めて、ここで納竿。 暖かくなったらこの上に遡ろう!
<親バカB>
スペシャル渓水ミルクを 作ろうと思って、納竿ポイント、出会いの沢、林道の滝と合計7.5gの渓水を 持って帰る。ちょっとしたトレーニングになった。

<写真:そして宴会Modeへ>

 初物の恵みとしてヤマト×3、アマゴ×1をありがたく頂く。
帰りもすこぶる順調である。ザックの渓水も目的を考えれば重くない!
林道に蕗の薹が出ていないのが残念であるが、春を告げる小鳥の囀りにのせられて歩調も軽い。
 相変わらず空き缶ゴミが目立つ。
今回思ったことだが、 往路で見つけたゴミを復路で分かるように目立つ場所に置いておく。その際、ゴミからゴミの間に かかる時間がどの位か見当をつけておくと、往路の所要時間の目処になるばかりではなく、 オリエンテーリング的要素も含んで、結構楽しんでゴミ拾いをしながら歩くことが出来た。

 持ち帰ったヤマトの1尾を自宅囲炉裏で素焼きにし、 やまめ寿司で借りてきた徳利で 骨酒にして頂く。 酒は渓にちなんで静岡の銘酒“花の舞”が出しているその名も 大井川の酒である。
 こういう楽しみがあると、渓を2度満喫できるような気がして嬉しい。

 今年もこうして、渓シーズンが開けた。
解禁にしては十分すぎるほど楽しませてもらった渓には本当に感謝である。 春夏秋冬、四季折々の旬を持つ山渓に身を委ね、体全体で深呼吸するときの 気持ちよさったらない。

 やはりこの素晴らし過ぎる宝物はずっと後世に残したい。


ヤマトの独り言
オレも子連れだが、お前も子連れか。チャンとやれよ!

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