本日オープン!源流酒場

写真:これが“源流酒場”

【年月日】2001年6月30日〜7月1日
【気 温】下界は38.7℃
【水 温】未計測
【同行者】たかさん・ナベさん・川久保さん

 念願の“渓道楽”の皆さんとの釣行が叶った。 時は遡ること3年くらい前だろうか?私がネット渓流会にハマりはじめ、渓道楽さんの サイトに幾度かお邪魔し、会長のお店“かじか” でお酒もご馳走になり、会長のご好意で山菜教室にお邪魔し、瀬畑氏、川上氏、下田氏などと 話しをすることが出来た・・・いつかは渓で宴会を〜 とずっと思っていたのだが、今回、静岡までお越し頂き、渓泊まりとなった。

写真:絶品のイワナチラシ寿司(byナベさん)

 土曜日の早朝1:30、首都高速の渋滞を縫って埼玉から3名が東名静岡ICを降り、 コンビニで食料を調達し、車止めに向かう。缶ビールのプルタブを開けたのが3:00前。 久々の出会いを喜びつつ、明日の釣行のプランを立てる。
 先行者がいないのはいいのだが、ここ数日、 連日真夏日&35℃以上&雨ナシという状態なので、 魚の出が渋いのではないかと思っていた。しかし、週末、天気が崩れるとの予報であり、 水が動くのではないかという淡い期待を抱く私であった・・・

 5:30から林道を歩き始め、6:30から雨がパラパラし始め、時折本降りの雨に 打たれながら、河床に着いたのは10:00前。途中、岩場直壁を懸垂で上ったりしながら、 あるいは、山道でコウガイヒルに 会いながら大雨の河床に着いた。
 早速テン場を作り、釣り支度・・・と行きたいところだが、ナベさんとオイラは、 「とりあえず飲みましょうか!?」と 無事河床に到着した祝杯を挙げる。  たかさんは濡れた体が辛そうで、ブルブル震えている。川久保さんは疲れた体に鞭打って、 ツェルトを張ろうとトライしているが、ロープが絡まって断念!
早めの昼飯を済ませ、渓を見ると本格的に大雨である。 しばらくすると小降りになって、いざ釣り とナベさんが一番乗りで8寸近いヤマトをあげる。
「こりゃ、入れ食いだぁ・・・!」という 絶叫が渓に木霊すると、たかさんも川久保さんも、黙っちゃおれん!という 感じで、ガレを降りて渓に繰り出す。 あれだけの豪雨にもかかわらず、渓の水は清冽さを保ち、澄んだ流れが表現できないほどキレイである。 南アルプスの懐の深さを改めて感じざるを得ない。

写真:オイラに出た尺一寸のヤマト

 そこはまさに楽園だった・・・
雨が手伝って、水が動いたのだろう。ヤマトの活性も一気に上がっているようだ。 落ち込み、駆け上がり、瀬の切れ目・・・打ち込むポイントから例外なくヤマトが出てくる。 川久保さんは、ゆったり釣り派なのか、なかなか上がってこない。もしかしたら、 下流部でイイ思いをしているのだろうか???
   雨の日は大物狙い!と信じているオイラだが、 出てくるヤマトは8寸がレギュラーである。ポイントも大淵、エグレに絞って、エサを打っていく。 アマゴだぁ!尺ある、尺! 対岸のナベさんから歓声が上がる。近寄ってみると、この流域では初めて みるアマゴである。しかも尺!背から側線にかけて、薄緑色かかった この渓独特のアマゴである。ナベさんも待望&初の尺アマゴに満面笑み を浮かべている。本当に嬉しそうな顔が印象的でした。
 この渓で何年か魚と対峙してきたけど、この流域でアマゴと 会ったのは初めてであった。物の本にも『ここより上流はイワナのみとなる』とあり、まさにそのエリア なのである。薄緑色・・・独特の体色をした尺アマゴ・・・どこから見ても天然居付きのネイティブ である。自然の変化の中でこの上流域まで遡り生き残ったアマゴ・・・本当に綺麗でした。 人間の了見では計り知れない渓の深さを知ったような気がしました。 雨のため写真が撮れないのが残念でならなかったです(ナベさんもちょっと拗ねてました ^^;)。

写真:イワナ寿司となったヤマト

 しばらく行くと3b滝がかかる小学校の小プール程度の釜が姿を見せる。 ナベさんがジェスチャーで「あっちに大場があるよ」というサインを送ってくる。 「お先にどうぞ」というジェスチャーを返しながら、この日一番のポイントに向かう。
 左にナベさん、中央にたかさんが既に大物を狙って竿を出している。オイラは本来取り付いて この滝を巻く右側に陣取り、ドバを付けて岩のエグレに流し込む。オモリは5Bである。 しばらくするとコツコツという魚信。十分に送り込んで合わせる。 ナベさんはさっきの尺アマゴを1.0号の通し仕掛けで抜きあげたが、0.6号の通しのオイラは、 慎重に駆け引きをし、やっと手にしたのは尺一寸のヤマトであった(写真のヤマト)。
 この釜でナベさんも尺ヤマトをあげ、たかさんも8寸ヤマトを幾尾かあげた・・・3人でこの釜だけ で20尾くらいあげただろうか?時計はPM3:00近くなっていたので、 後ろ髪を引かれながら、晩餐の準備に渓を下る。 戻ってみればテン場までわずか15分。 それ以上釣り上がらなくても存分にイワナとの駆け引きを楽しむことが出来たのである。

写真:青空の下での朝ご飯準備

 源流酒場での渓宴会は、 生憎の雨で大焚き火大会とはいかなかったが、 各自一品の料理が疲れた体と渇いた喉を癒やしていく。
【川久保さん】  中華料理2品(甘酢が疲れた体を癒やしてくれました)とイワナ甘露煮
【ナベさん】  イワナちらし寿司(絶品)&ミョウガ入り炒め物(最高のツマミ)
【たかさん】  チンジャオロース(オイラは撃沈のため食せず・・・)
【オイラ】  藤枝の銘酒“喜久酔”(本醸造)
   ペットボトルに移し替えて持ってきた一升弱の酒は瞬く間になくなっていく。 犯人はナベさんとオイラである。でも、誰が何と言おうと 渓で飲む酒はバカ旨い!んだからしょうがない。
 4人の渓語りと共に徐々に腹も満たされ、酔いも回ってくる。 オイラは自分では知らないウチに倒れるように眠ってしまっていたらしい・・・ 本当に自分でもいつ寝たのか覚えていないのである。その証拠に、AM3:00頃目が覚めたとき、 「なんでシュラフカバーしてるんだろう?」と眠い目を擦ったのである(皆さんが掛けてくれたんです ・・・ありがとうございました&ご面倒をおかけしました) そのお陰で本当に熟睡できました。
 翌日はうって変わって快晴!
昨日寝てしまったので、朝飯の火興しだけはしようと、動き始める。 朝ご飯は、雑炊(ナベさん)とチャーハン(川久保さん)、そしてイワナ汁で満腹。 一休みして、昨日の夢よ再来!というわけで、イワナに会いに行く。
 たかさん&川久保さんは“釜”へ、オイラは毛針で下流へ、ナベさんはテン場で微睡む・・・ 釣果は昨日と一変し、食いが渋い。たかさん&川久保さんはあの釜で小型を一尾掛けたのみで、 オイラの毛針には反応すらなかった。天気が良すぎて岩の奥の方に潜んでしまったのであろう・・・ 1時間チョットで納竿し、帰り支度にかかるが、なかなか捗らない。もうチョット、 この場所にいたい気持ちが手足の動きを鈍らせる。事実、 渓間から覗く青い空と澄んだ渓水とせせらぎは“楽園”を思わせるに十分である。 仕事さえなければ・・・この時ほど、仕事を恨めしく思ったこともないかもしれない(爆)

写真:天空から流れ出る滝

 さて後ろ髪を何本も引かれながら来た道を戻る。
普段は日帰りコースなのだが、渓泊まりをして登る山道はいつもよりイージー。 旨い酒で渓泊まり→体をゆっくり休めて→帰りもラクチン!という素晴らしい相関関係に 体を弾ませ、山道を登る。ヒル・チェックをしながら林道に出るとザックを降ろして大休止。 岩間を抜ける風に吹かれながら望む南アルプスの綺麗なことと言ったらない。
 岩場直壁の懸垂下降、ガレ場トラバース、行きにハーケンが抜けて危うく滑り 落ちるところだった場所も難なく越え、車止めを急ぐ。途中、空から振ってくる滝で小休止。 崩落だらけの林道を歩く度に、こんな場所に林道を通した行政の愚に苛立ちを感じつつ、 釣り人にとってはアプローチが簡単なるという裏腹さにさいなまれる。 山釣りをしたければ歩けばいいという 自分なりの結論を持っている。わざわざ重い荷物を担いで長時間歩いて山奥で酒を飲む・・・ バカバカしいと思う人もいるかもしれないけれど、 正直言ってこんな贅沢はないんじゃないかと思う
 ゆっくり4時間半掛けて車止めに着く。『あぁ〜、お疲れさま』と 無事釣行を終えたことを喜び合う。着替えをしているたかさんの パンスト2枚履き姿はヒル対策とは言え、名とも言えない光景であった。 幸い、ヒルの襲撃にやられることなく釣行を終えたので、効果があったと言えよう!奥様に感謝!! (ナベさんは履いたら破けてしまったので諦めていたのでありますが・・・)

 帰路は川根温泉 ふれあいの泉に 寄って汗を流す。休憩室には生ビール の文字。実は林道を歩きながらナベさんとオイラは生ビール妄想 に襲われていて、譫言のように、生ビール、生ビールと叫んでいたのである。 ナベさんに至っては「生ビールがなければ生きている意味がない!」と公言して憚らない!!! この点についてはオイラも全くの同感であり、「そうだ、そうだ!」とエールを送る。 「ップ、ふぁぁぁぁ」と喉を鳴らすと、 人間力が蘇ってくる(ナベさんごちそうさまでした)。たかさん、川久保さんが食べた 名物“炭ラーメン”は今一つだったらしい。
最後に焼津さかなセンターに寄ってお土産を買って、お別れとなる。
 終わってみれば、久々の源流渓泊まりに200%満足のオイラでした。
しかし、渓と違って下界はこの夏一番の暑さ38.7℃ であり、生きている心地がしないし、東名高速登りは20`の渋滞だという・・・ 埼玉から遠路はるばる来ていただいた渓道楽の皆さんには感謝以外の何ものもない。 また、チャンスがあればご一緒させていただきたいです。
 「これなら根がかりでも大丈夫だよぉ」と オイラに声を掛けてくれたナベさんとたかさんの一言に、何となく落ち着きのないオイラでした。

この釣行の・・・
 ●たかさんの釣行記『雨に煙る夢幻の流れ』
 ●川久保さんの釣行記『私の源流行デビュー記』


魚の独り言

やっぱり雨でしょ、雨。

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