アマゴの顔が見たい客人

 写真:久々のペア釣行 with 山城君 

年月日   2001年4月28日
気 温   15℃(PM 1:00)
水 温   8℃(AM 7:00)

 久々のペア釣行である。
相棒はインターネット渓流釣り集団 渓声会のメンバーであり、東北の大学に在学中に渓流釣りにハマり、 卒業後、今年故郷の静岡に戻ってきたYoung Man、山城君である。

 写真:新緑を貫く瀧に興ずる山城君

 ゴールデンウィークの初日となるこの日、渓も混雑が予想されるのは当然のことであるが、 “ダメモト”という気もありながら、 それでもアマゴの顔は見られるだろう!と思って前夜の車泊まりである。
 23:00の集合時間にオイラが若干遅れ到着。早速レオーネに相乗りで、目的地へ。 静岡県中部南アルプスの渓は初めてだという山城君と行く渓を考えていた。 本日の予定は・・・・・・
【プラン@=アマゴの渓】
線路歩き+真っ暗なトンネル歩き+山道歩き=1時間半コース
【プランA=ヤマトとアマゴの混棲の渓】
林道歩き+山道アップダウン(標高差250b)=1時間半コース
というコースであるが、『久しぶりにアマゴの顔を見たなぁ』という山城君の一言で、 プラン@に決定する。
 車止めに着くと早々にビールのプルタブを開ける。
さすがに寒いが、ブルーシートを広げ、満天の星空をサカナに 煽るビールは最高に旨い!
 明日も早いので眠ることにしたが、エンジンを切って寝たら、山城君は 寒くて眠れなかったらしく(オイラは熟睡だった・・・)、途中、暖房をつけて改めて眠る。

 朝起きてみると、軽トラックが1台停まっている。
車内はどう見ても渓流釣りの様子はない。着替え、靴と言った類が一切ない。 「山仕事の人だろう」と思って、早速線路を歩き始める。 

 写真:本日唯一のキープ君 

 途中川床を見るが、予想以上の渇水である。
スタンド・バイ・ミーあるいは裸の大将よろしく、 ひたすら線路を進む(山城君初体験No.1)。1時間チョットすると入渓点に到着。 すぐに箱淵があり、通常は泳がなければならないのであるが、去年は腹まで浸かって 渡河できたのでそのつもりでいた。山城君もナベさんにウェーダーを頂いたので、 この程度は何の苦もないと思っていた。
しかし川石が濡れているのが気になる。先行者だろうか?! などと先のことが気になるのであるが、差し当たり この淵を泳ぐしかない!のである。水温8℃と思ったより温かいので(笑)、 何のためらいもなく泳ぐオイラを見て、着いていくしかない山城君・・・拷問かなぁと思いつつ、 泳ぎにて淵を突破(山城君初体験No.2)。 その後の焚き火は最高にありがたく感じたのでした。
 淵を泳ぐとビックリ!
ゴムボートと背負い篭が・・・!!!
ヤラれた!頭ハネである(怒)
あの軽トラックだろう。いくらこちらが起きなかったからとは言え、一声掛けていけばイイのに・・・ と思うのだが、強欲釣り師の性なのだろう・・・と諦めつつ、上部の支流目指して釣り上がる。

 写真:カモシカの亡骸

 渇水+先行者の後追いだけあって、さすがに食いはシブイ。
支流に着くまで、釣果は山城君が6寸アマゴ×1、魚信はオイラが1、山城君が2という渋さ。 好ポイント付近にはしっかりと足跡がポイントに向かって残っているので、 竿抜けの場所を選んでエサを打ち込んで行くが、反応がない。アマゴの魚影が走ることもない。 あったのはカモシカの亡骸だけである。
 キンパクは申し分なくいるのであるが、確実に残る先行者の足跡に項垂れながら支流分岐点に到着。 実は今夜、兼ねてから「一度渓流釣りに連れってくれよ」と言われている地元の友だちの 結婚パーティーがあり、そこにアマゴの刺身 をお祝いに届けよう!と思っていたのである。

 支流にはいると、本流で釣果×1の山城君が「お先にどうぞ」と気遣いをしてくれる。 それに甘えて先行してとばすが、魚信は一向にない。 このポイントにいないでどこにいるのよアマゴちゃんと叫びたくなるほど、 魚信がない。小淵で6寸アマゴをやっと上げるが、オイラに追いついた山城君も魚信ナシ、とのこと。 昼飯も早々に『1時になったらあがろう』と午後の部スタートである。

 写真:この面構え!この顔を待っていた! 

 チョット疲れたのであろうか「この辺りでやってますので、奥へどうぞ」と更にオイラに先行を 許してくれる山城君に甘え、奥へ奥へと詰めていく。
 この支流は初めてなので奥地がどうなっているのかをこの目で見ておきたいと言う気持ちと、 それでもがっちりとしたアマゴの顔が見たい!という強欲なオイラがそこにいる。
そこでようやく仕留めた8寸アマゴである。 小さいアマゴは引ったくるような魚信なのだが、このサイズになると、余裕を持って食うのだろう。 せっかちな魚信ではない。ためるように合わせ、 手にしたアマゴのナイスボディを暫し見つめる。時計は既に1時チョット前。 やっと手に入れたお土産をキープし、山城君のもとへ戻る。
キレイですねぇぇと山城君。
本当は山城君にこういうヤツを釣って貰えれば一番良かったのであるが、 ホストのオイラも必死になって1本を追い求めてしまったのである。その位食いが渋かった。
 結局、山城君はキープ君を手にすることが出来ず、ここで納竿。
帰りには風がでてきて、釣りをするコンディションでもなくなってきた。行きにも当然あった 岩場をヘツリながらの川下り(山城君初体験No.3)。 ホールドを確かめながらのヘツリを数カ所こなし、順調に川通しで入渓点に向かう。
途中、例の淵にはまだゴムボートが 置いてあり、先行者はまだ下りてきていないようだ!
『このボート乗って行っちゃいましょうか?』
『そしたら、破いちゃおうか!!』
などと馬鹿な会話をしつつ、やっぱり泳いで淵を突破し、山道へ。

 帰路の線路は電車が来るか来ないかハラハラしつつも、裸の大将放浪記の主題歌 『野に咲く花のように』を口ずさみつつ、真っ暗な トンネルをヘッドランプで歩いて通過し(山城君初体験No.4)、車到着。山城君の顔は さすがに疲れていた。

 帰りに加藤菓子舗の生クリーム大福を買い求めるが、 既に売り切れだった。そう言えばオイラ達の前にいたおばちゃんはその店の蒸し饅頭十数個を ガメッて全部買っていった。恐ろしや、オバチャン!
 と言うわけで、釣果は今一つだったが、山吹が映える新緑の原生林歩きは気分爽快だった。
山城君曰く 『リベンジする場所が増えましたよぉぉぉ』
今度は山城君の満面の笑みを見たいものである。
山城君、懲りずにまた行きましょう!まだまだ若いモンには負けられん!!


魚の独り言

こっちもゴールデンウィークだって

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